2025/11/24
文系出身、学生、経験ゼロ。学生インターンの私がAI診断を開発するまで~AIとなら想いは実現できる~

文系出身、就業経験なし、プログラミング未経験──そんな「経験ゼロ」の状態から、AIを活用してサービス開発に挑戦した学生インターンの森さん。Women AI Initiative Japan(WAIJ)が展開する「わたしのAIライフスタイル診断」を、企画からキャラクター設計、ロジック設計まで担当しました。
「自分でも、ここまで形にできるんだ!」と語る森さんに、AIを使い倒した開発の裏側と、AIとの付き合い方に関する想いについて伺いました。

<わたしのAIライフスタイル診断とは?>
AI時代における多様な働き方やライフスタイルを楽しく発見できるコンテンツです。全16タイプの中から、一人ひとりの働き方や価値観をもとに、おすすめのAI活用方法を提案します
Women AI Initiative Japan公式LINEアカウントに登録するだけで、どなたでも無料で診断を受けられます。
生活やキャリアに合わせ、軽やかにAIを活用してほしい想いで

ーーまずはじめに、なぜ診断サービスを作ろうと思ったのかを教えてください。
「自分らしい働き方」と「その人に合ったAIとの付き合い方」の両方に気づける診断を作りたかったからです。
AIの使い方には「あの人がこう使っているから自分もそうしなきゃ」という決まりはありません。正解はなく、むしろ自分の生活やキャリアに合った形で軽やかに活用してほしい、そんなメッセージを届けたいと思いました。
ーー未経験から診断サービスを作る上で、どんなことが大変でしたか?
まず最初に「何から始めればいいのかわからない」という壁にぶつかりました。私は文系の学生で、アプリ開発の経験もなければユーザー体験の設計も未経験。MBTIのような診断が「どうやって作られているのか」についても知識はゼロでした。
だからこそ、最初の要件定義からAIに相談することにしました。
ーー最初の一歩からAIに相談されたのですね。
はい。ただ、AIと壁打ちをする過程においても、質問やタイプ分けの軸をどう決めるかが一番の難所でした。診断をつくるには、まず「どんな人がいて、どう分類するか」を考える必要があります。フルタイムで働く人、子育て中の人など、それぞれの生活や価値観は全く違います。どの切り口で分類すべきかを考えるのは、想像以上に骨が折れました。
私は逆算的に考えるタイプなので、「診断をつくろう!」という話になったときには気づくと「ここからどう集約するか」まで考えてしまったり、「心理学的な視点が必要では?」と深みにハマってしまいました。
そのとき、先輩社員から「こんなプロンプトで聞くとAIが答えてくれるよ」「こんな軸で考えたら分けやすいよ」と具体的な助言をいただき、分類軸の精度をブラッシュアップすることができました。
ーー具体的にはどのようにAIを活用されたのですか?
AIに「こういう分類をしたいんだけど、どんな切り口がある?」と聞くと、切り口の候補を出してくれました。例えば、下記のようなプロンプトを投げて、AIにまず候補を出してもらいました。
プロンプト例:
「“働き方×AI活用”という診断サービスを作りたい。20〜60代女性が『自分らしい働き方』に気づけるような診断にしたい。質問軸や分類軸の候補を10個出してください。」そこから考えが整理できるようになり、社会人経験が豊富な先輩たちからもアドバイスをもらいながらロジックの骨格をつくることができました。

AIを"使い倒す"開発秘話──GPTsで試作、キャラクターもAIで
ーーロジックの骨格ができた後は、どのように開発を進められたのですか?
インターンを始めてから、「GPTs」という機能の存在を知りました。これは、アプリ開発まで行かずとも、チャットボットや診断ツールの試作品が簡単に作れる機能です。私は実際にGPTsを使って、ポイント加算式で診断の試作版を1日程度で実装し、社内メンバーに体験してもらいました。
要件定義書だけでは伝わらないニュアンスを、実際のプロトタイプを通じて社内のメンバーに診断してもらうことで、質問のトーンやUIのフィードバックを受けながらブラッシュアップしました。
ーー診断のロジック部分もAIで作成されたのですか?
そうです。診断を成立させるためには、質問に答えるとスコアが計算され、タイプが判定される「脳みそ」が必要ですが、AIにロジックの素案を生成してもらいました。
プロンプト例:
「以下の3つの軸に基づいて、選択肢A・B・Cがどのタイプに結びつくかスコアリング表を作ってください。」上記のようなプロンプトをAIに投げると、診断コンテンツに必要なスコア表をAIが生成してくれます。アプリ開発経験や、プログラミング経験がなくても、こうして「使えるロジック」をAIの力で作ることができました。
その素案から整理しつつ、先輩社員からも「この言葉の受け入れやすさも考慮したほうがいい」「『家事』というワードを使っていたけれど、『家庭の用事』の方が読んだ人に優しい表現になる」と、ユーザー目線の具体的なアドバイスをもらいながら進めていきました。
ーー診断結果の動物キャラクターも印象的ですよね。どのように設計されたのですか?

動物たちの候補出しもAIと壁打ちしながら進めました。「この性格や特徴の人にはどんな動物が合いそう?」と相談し、AIから提案された候補をもとに、性格との一貫性やニュアンスを詰めていき、それぞれのキャラクターに合う動物を採用しています。
例えば、「理想ジャンプうさぎ」は、まだ働いていないけれど未来にワクワクしているようなキャラクターです。まさに「うさぎ」の「警戒心が強く臆病な面もある一方で、新しいものに興味を示す性格」とマッチしており採用しました。
プロンプト例:
「以下の性格特徴を持つ人に合いそうな動物を3つ提案して:①好奇心旺盛 ②慎重 ③未来志向」キャラクター画像もAIを使って作成しています。リアルな動物の画像をWeb検索でAIに渡し、「これって自分かも?」と思うニュアンスになるように、人間らしさと動物の可愛らしさを混合したキャラクターを作成しました。

そして、各キャラクターのペルソナをAIで落とし込んでから、キャラクターが持っている小道具・表情・ポーズなどをプロンプトで指定し、より多くの人に親しんでもらえるようなキャラクターを生成しました。
実は途中で「動物ネタ切れ」に苦しんだこともありましたが、AIに動物一覧などを出してもらい、16タイプの「性格×動物」の組み合わせを作り込んでいきました。
プロンプト例:
「頭にお花をつけている。片足が上がっている状態。右腕には脳と左腕にアップペンを持っている」ーーまさにAIを使い倒して、開発を進めていったのですね!
ただ、AIがいくら優秀でも、人間にしかできないこともあることも実感しました。特に感じたのは、エンジニアの先輩社員にUXの相談をしていたときです。
「多くの人はスマホを右手の親指で操作するから、一番シェアしてほしいXのシェアボタンは右に置いたほうがいい」──そんなアドバイスを聞いて驚きました。人間の「親指の動線」という視点はAIには出てこなかったと思いますし、「ユーザー体験」の視点は、人間ならではの知見です。
そのエンジニアの方は「実際にユーザーが使う場面を想像しよう」ということをよくおっしゃっていました。PdM経験も全くなかった私は、AIだけでは抜け落ちていた部分を先輩のエンジニア視点に補っていただき、本当に助けていただいたと心から思います。
ーーAIを使いこなしているからこそ、AIの弱みや人間にしかできない強みにも気づけたのですね!
そうですね。またもう一つそのエンジニアの先輩から言われたのは、「エンジニア経験がなくても、今の時代は挑戦のハードルが本当に下がった」ということです。
自然言語でプロトタイプを生成できるツールを使えば、整理してAIに投げるだけで60%程度の形にできる。「まず形にしてみる」までのスピードが劇的に上がったと。その言葉を聞いて、まさに私自身がそれを体験したのだと実感しました。
AIは、想いを想いのまま終わらせない力をくれる。経験ゼロでも、AIとの二人三脚なら挑戦できる

ーー診断が完成したときは、どんな気持ちでしたか?
「経験ゼロの自分でも、ここまで形にできるんだ!」と心から嬉しく思いました。
何もわからなかったところから、頭の中のもやもやを整理してすぐに試作を形にし、試行錯誤を経て世の中に発信するサービスを生み出せたのは、AIのおかげです。もちろん魔法みたいにすべてを解決してくれるわけではないですが、私にとっては最高の相棒です。
ーーこのプロジェクトを通じて、最も大きな気づきは何でしたか?
AIが「自分の想いを、想いのままで終わらせない力」をくれたことです。「こういう診断があったらいいな」という漠然とした思いが、AIを使うことで一気に現実になっていきました。
もちろん、AIだけでは完成しなかったとも強く思います。スピーディーにアウトプットを出してくれるAIをベースに、先輩方のアドバイスや人間にしかできない判断を取り入れてブラッシュアップしていく。その「二人三脚」で、経験ゼロの私でも診断サービスを実装することができたと思います。
実際に診断をリリースして、1週間で2000名以上の方に利用していただけたと聞いています。自分が作ったサービスが世の中に公開され、こんなにも多くの方に楽しんでいただける経験を学生のうちにできるとは本当に思ってもみませんでした!
ーーWomen AI Initiative Japanに興味がある女性へメッセージをお願いします。
AIを使えばキャリアは広がり、自分の可能性にどこまでも挑戦できます。就業経験がなくても、専門知識がなくても、「つくりたい」という想いがあれば、AIはそれを実現へと導いてくれることを身をもって学びました。
そのためにも、もっと多くの方に気軽にAIを試してほしいと思います。「難しそう」と感じる人も多いですが、なにも大きなプロダクトを作る必要はなく、日常のちょっとした課題解決や自分の生活に余白を作るためにぜひ使ってみてください。
「わたしのAIライフスタイル診断」も、みなさんがAIと軽やかに付き合っていくきっかけになれば嬉しいです。
わたしのAIライフスタイル診断
ー開発者である森さんの、診断の結果についてもぜひ教えてください!
わたしは「空飛ぶキャリア鷹」でした!診断をしたら見れる偏見シリーズがお気に入りです!
「案件をやり遂げることだけがゴールじゃない。成果と学びの両方をつかむ」という説明は、まさに自分を表していて、診断を受けてスッキリしました!
わたしのAIライフスタイル診断はこちらから

Women AI Initiative Japanは、AI時代を生きるすべての女性が自分らしくキャリアを築き、可能性を広げるためのコミュニティです。最新のAI活用事例やキャリアストーリーを共有し、共に学び、成長する場を提供しています。
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執筆 平 理沙子/編集 Naoko Kubota




